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薄暮都市

同人・女性向けの話題専用のブログ ジャンルはよろず。遊戯王・DFF・バサラなど。 ときどき、アイマスや東方などの話も混じりますのでご了承の程を。

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  • 03/05/12:29

14万HIT

今見たら超えててあばばばば。

14万HITありがとうございます!!
なんかもうすでに頭のキャパを越えててどういう数字か分かりませんが、とにかく、愛は伝わりました。ありがとうございます。

でも決定的瞬間を見逃したのがちょっと残念というか、スフィアがずらっと並んでいるところは見たかったですね…

14万ヒットを踏まれた御仁がいらっしゃったら、キリバン受け付けますのでぜひとも申請してくださいませ。とりあえず現在はDFFメインですのでそちらがありがたいのですが、取り扱いジャンルなら何でも。CPも何でも。カオス組でもパラレルでも18禁でもグロでもにょたでもなんでも。
日ごろの感謝を込めて…

申請される方がいらっしゃらなかったら、ニアピンの方もお待ちしております。


 むかしあの月にはひとの形とこころをした生き物が住んでいて、

 彼らはとても遠い昔に、ふるさとを無くして逃げてきたんだ。

 彼らはとても情の深い生き物だったからね、
 争いにつぐ争いでふるさとを失ったことを悲しんで、

 自分たちに呪いをかけてしまったんだ。

「わたしたちは二度と涙を流さないだろう、
 二度と愛さないだろう、
 もしも泣いたならその涙は石になり、
 愛したならば心臓は石になってしまえ」

 ところが、彼らはあんまりに無謀だった。

 親を、
 恋人を、
 兄弟を、
 友を、

 愛して次々と石に変わってしまった

 そして月は荒涼としてうつくしい土地になってしまったんだよ。



 そして今月のいきものの生き残りはたった二人。

 いっしょうけんめいに我慢しながら生きのころうとしているよ。

「兄さんだけは」「セシルだけは」

「絶対にぼくを」「わたしを」

「愛さないように」「泣かないように」

「まもってみせる」


 ああ、なんておろかな、かわいそうな月のいきもの!

 そんなにも思ってお前たちの流す血はぜんぶ涙だ、

 お前たちの憎しみはすべて愛だ。

 だから見たまえ、

 月の生き物のさいごの生き残りたちは、

 まるで石のようにうつくしくて、かたくなで、そしてあまりに冷たい

 心臓と涙を持っているから。


 
 月を空にみあげる場所にすむ生き物たちよ、

 これは教訓です

 愛とはそのようなものなのですよ、

 まるで星のようにうつくしいけれど、

 かくそうと飲み込めば石のように、

 おまえを中から突き刺すよ!




**********

なんだろうこれ…





 あなたが旅をしていないのなら

 風のつよい日に遠出をしてはいけない

 笛吹きが笛を吹くから

 風の笛吹きが笛を鳴らすから


「たびのそらからそらへとくらすくらい

 この世でたのしいくらしはない!

 たからものとかいぶつがおまえをまってる

 おひめさまととうぞくがおまえをまってる

 いまかいまかとおまえをまってるれんちゅうで

 このかぜのなかはいっぱいだ!」

 けれど

 旅から旅へのおしまいはどこへいくの、

 と聞いたなら、

 笛吹きは言うだろう、胸をはって

「きまっている たくさんのおたからとおはなしをもって

 ふるさとにかえるのさ

 いちばんすてきな旅ってのは

 ふるさとにかえるまでの
 
 いちばん長い遠回りなのさ」

 さあ! さあ!

 風がつよい日には遠出はだめだ

 遠出をしてはいけないよ!

 おまえの家はすぐそこで、

 ふりかえったところにまっている

 たいくつな仕事につまらない友だち

 気付いたら笛吹きはもういない

 おまえにとってふるさとは寝床さ!

 遠くへいったらいきられりゃしない

 ながい回り道なんてあきらめな!

 だいたい笛吹きはうそつきだから

 笛吹きのふるさと なんて

 そもそも、
 
 ほんとにあるかどうかもわかりゃしないんだからね!!



********


 音を立てて、空を薙いだ大剣が、こめかみの辺りの皮膚をすこしばかり削り取っていく。ひゅう、と体の奥から温度が抜けた気がした。それでも、ジタンは、金毛の少年は、すんでのところで宙を蹴り、その斬撃を逃れた。
 逃れた。そのはずなのに。
「スコールっ」
 地面に降り立って、限界まで膝をたわめる、その、どうしようもない一瞬の《隙》を。
 獅子の目は、見逃さなかった。
 ジタンは見る。本来ならば慣性という絶対の拘束に囚われ、返ることのできないはずの太刀筋を、スコールが、強引に捻じ曲げるのを。一瞬のバックファイア。薬莢が散る。金色だ。違う。あれはスコールの。本来ならば深い瑠璃の色をしているはずのふたつの目の。
「スコールゥっっ!!」
 ジタンの喉の奥から、激情が、絶望にも似た思いが、喉を裂くような絶叫としてほとばしった。逃げられない。でも何故。どうして。
 どうして、彼が。
 だが。

 獅子の一撃は、ジタンに、届かなかった。
「あ」
 ジタンは呆然と目を見開いた。蜜の髪ときらめく湖水のひとみ。肩越しにソレを見て、ニッ、と笑ってみせる。彼は、今にも、軽口のひとつもたたきそうな勢いだった。子どもめいた無垢さにきらめくそのひとみ。
「バッ」
 ぼた、と音を立てて、赤黒い血が、草に落ちる。
「バッツ、」
「ンな顔すんなよ、ジタン。…スコール、も……」
 金瞳の獅子が、わずかに、不快げに表情を歪めた。剣を、引こうとする。が、動かない。分厚い刀身を持ったその大剣は、今も、硬く受け止められたままだった。
「言ったろスコール」
 刃が動き、骨に食い込み、止まった。青ざめた顔に脂汗がにじんだ。ぼた、ぼた、とさらに血が落ちる。刀身を伝って流れ落ち、スコールの手をもしとどに濡らす。
「おれは、お前のこと、いつだって受け止めてやるってさ」
「バッツ、止めろ!」
 ジタンは、悲鳴を上げた。バッツはその腕でガンブレードの刀身を《掴んで》いた。刀身は半ば以上腕に食い込んで止まっていた。わずかでも力を加えれば、引鉄を引けば、腕を、とられる。
「逃げろ! 離せよぉっ!!」
「やだね」
 だが、彼は、バッツは、笑ったのだ。青ざめた顔で。それでも、いつものように、きらめくような表情を、残したままで。
「ここで逃げたら、まぁた、お前らあとでおれのことネタにして笑うつもりだろ。まっぴらごめんってな」
「……―――ッ!!」
 金の瞳の中で、瞳孔が、針にまで収縮する。獅子は、金瞳のスコールは、激しい痛苦を憶えたように、顔をゆがめた。引鉄に指をかける。それでもバッツは掴んだ刀身を離さない。むしろ、笑う。楽しそうに。
「引いてみろよ、スコール」
 その笑顔のままに、奥歯が、ギリギリと硬く、かみ締められる。
「腕をとられたって、離してなんてやらねえからな」


《バーサクスコと【かばう】付きバッツとヒロインジタン?》

 
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